回答する記者団
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回答日:2009年04月29日
回答者:佐藤裕一(回答する記者団)

東京労働局がリストを開示したが企業名はスミ塗り

厚労省は過労死・過労自殺認定のあった企業数を「把握していない」

合法的な手段で行政から過労死・過労自殺認定のあった事業場名を入手することはできない。厚労省の担当部署によると「脳・心臓疾患等」「精神障害等」の労災認定のあった事業場名を公表は検討されたことがなく、検討する予定もなく、公表する規則もない。
  • 全国の労働局に請求すると手数料は14万円を超える
  • 「不開示箇所を決めた過程は開示請求してほしい」
  • 事業場名はすべてスミ塗り
  • 厚労省は事業場の数を把握してない
  • 石綿と内定取消しは企業名を公表したが
  • 合法的な手段では行政から情報を得られない
  • 参考リンクと開示文書の閲覧


「平成19年血管疾患及び虚血性心疾患等の処理経過簿」の1枚。面積にしておよそ半分がスミ塗りされている。たとえば、脳内出血の高等学校教員が平成19年12月15日に労災認定を受けている記載がある。所管は立川署。労災認定が出ている職業には「記者、編集者」「看護師」「医師」もある。認定されなかった事案では職業「バス運転者」の記載も。
「平成19年血管疾患及び虚血性心疾患等の処理経過簿」の1枚。面積にしておよそ半分がスミ塗りされている。たとえば、脳内出血の高等学校教員が平成19年12月15日に労災認定を受けている記載がある。所管は立川署。労災認定が出ている職業には「記者、編集者」「看護師」「医師」もある。認定されなかった事案では職業「バス運転者」の記載も。

「平成19年度血管疾患及び虚血性心疾患等の処理経過簿」の行政文書開示決定通知書(平成21年3月19日付け東京労働発射総務開示第20—259号)。「個人の権利利益を害するおそれがあると認められる情報が含まれて」いることが不開示理由とされている。法人等の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれは理由とされていない。
「平成19年度血管疾患及び虚血性心疾患等の処理経過簿」の行政文書開示決定通知書(平成21年3月19日付け東京労働発射総務開示第20—259号)。「個人の権利利益を害するおそれがあると認められる情報が含まれて」いることが不開示理由とされている。法人等の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれは理由とされていない。

渡邉正裕さま

 ご依頼のあった開示請求について報告します。結論から申し上げますと、「脳・心臓疾患等」「精神障害等」の労災認定のあった事業場名は「個人に関する情報」であることを理由にすべて不開示になり、同じ目的で別の文書を開示請求しても扱いは変わらないとの話(東京労働局)だったため、合法的な手段で行政から事業場名を入手することはできません。就職活動をする学生が志望する企業で起きた労災のことを知りたい場合でも、行政ルートを利用することは不可能です。

 採用内定取消しを行った企業の99・5%が非公表であるとしても、厚生労働省は2009年3月、内定を取消した404社のうち2社を公表しました。しかしながら厚労省の担当部署によると、「脳・心臓疾患等」「精神障害等」の労災認定のあった事業場名を公表することはこれまで検討されたことがなく、今後検討する予定もなく、公表する規則もないそうです。さらに、採用内定を取消した企業数は厚生労働省本省から公表されていますが、同じ厚生労働省本省であっても、労災認定のあった事業場の数は把握していないとのことです。

 なお、過労死は「脳・心臓疾患等」に、過労自殺は「精神障害等」に含まれていますが、開示を受けた文書では生死の別は明らかにされていません。

全国の労働局に請求すると手数料は14万円を超える

 今回、2003年度から2007年度の5年間を対象に、「脳・心臓疾患等」「精神障害等」の労災認定のあった事業場名を開示して欲しいと厚生労働省本省に開示請求を出したところ、「労働基準監督署で個別の事業場名を管理していますが、本省には事業場名まで報告は上がってきていません。監督署から記者発表のための数字だけ出してもらっている状況」(厚生労働省労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室クワバラさん、電03-5253-1111内線5569)との連絡があり、本省への開示請求を取り下げました。まずこの段階で、平成19年度に全国で労災認定のあった「脳・心臓疾患等」392件と精神障害等」268件を、本省への請求だけで知ることができなくなりました。これが1月中旬です。

 このときクワバラさんからは、開示請求する機関は各地の労働局であるとの助言を受けましたので、2009年1月16日付けで東京労働局に対して同様の請求を出しました。47都道府県の労働局から東京労働局を選んだのは、2007年度の労災認定件数が「脳・心臓疾患等」60件(2位は大阪府で46件)、「精神障害等」50件(2位は神奈川県で26件)とも全国最多だったからです。また、全国の労働局に対して請求すると、14万円を超える開示請求手数料がかかることがわかったからです。






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