|
|
|
|
|
各線
|
各線
|
|
|
人身事故が増え始めたころ、駅や車内で「人身事故」としかアナウンスされないことに対して、「何があったのかはっきり知りたい」と強く思うようになりました。それが鉄道人身事故マップを作り始めたきっかけです。
毎日流れる運行情報やニュース、現場に居合わせた人のツイートや警察への取材のほか、国土交通省に集められた膨大な事故データを整理し、地図上に示したのがこのマップです。いつ・どこで・どのような人に・何が起き・どうなったのか、事故の1つ1つを可視化しました。
データからわかったのは、関東では人身事故の6割が自殺だったという過酷な現実です。ホームで起きる人身事故の6割が酔客絡みという注意喚起がありますが、列車に接触して人が死傷したケース全体で見ると、関東は自殺が6割、毎日1人が鉄道で自殺していました。
飲酒の影響も悲惨な形で現れていました。線路内への転落以外にも、ホームから線路に向かって嘔吐中に列車が進入して死亡したり、酔った状態で携帯電話を操作中に列車に接触して死亡するケースもありました。
関東では2006年ごろからホーム上での接触事故が増え続けており、携帯電話やスマートホンなどの「ながら歩き」の影響が出ていると考えられます。
![]() |
関東地方の鉄道人身事故の原因別推移 |
踏切では自転車やシルバーカー(歩行補助用の手押し車)の高齢者の事故が多発していることもわかってきました。認知症患者の事故も問題になっており、子供も安全ではありませんでした。
事故防止のために、このマップは何をどう伝えればいいのか。そのようなことを考えながらマップを制作しています。